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ロクサーヌ (その46)

   ラムが言う。「私たちの先祖は、死者の国へと続く橋のたもとで、橋を渡る人を守る仕事をしていました。しかし、ある少女と御坊さんの一行が橋を渡った時、その少女を好きになってしまい一緒に橋を渡りました。橋を渡った後も、その少女のそばを離れず付いてきてしまったそうなのです。けれど、本来そのようなことは禁じられていたので少女には気づかれないように少し離れたところから見守っていたそうです。やがて、海を渡り日本へ来て、さらに富士山を越え、こちらの世界に来たのですが箱根の山を越えるときに少女の一行は突然姿が見えなくなり、はぐれてしまったそうです。先祖の犬2匹は山を探し回り、この奥多摩まで来たけれども結局会えなくなり、この御岳山でいつか会えることを信じて暮らしていたそうです。私たちは代々その言い伝えを守り、ここで少女が来るのを待っていました。今は人の形をしていますが、心は犬のままなのです。」
 ロクサーヌは「どうしてその少女が私だとわかるのですか?」と尋ねた。
そこへ、神社の神主が現れた。「それは、私から話しましょう。実は、昨晩見た夢の中で、ロクサーヌという少女が出てきました。助けてほしいと言うので、もしやと思いこの者たちに準備をさせていたのです。その時が来たら直ぐ助けに行けるようにと。そして、今日突然雷が鳴りまして、空が紫色に光りだしました。普段は山の上で雷が鳴るのですが、今日は東の空が紫色に光るので、これだと思いその光をめがけて走らせたのです。あとはこの通りです。ですから何がどうしてこうなったのかは私にもわかりませんが、虫の知らせというのか、心の赴くままに動いたらこうなったということなのです。」
 神主様の話では、ラムたちは本当は6匹生まれたのだそうです。他の4匹は新しい飼い主にもらわれてゆき幸せに暮らしているそうです。ラムは見た目もよく、賢い犬なので2回引き取られたことがあるそうです。けれど気性が荒いだけでなく、自分の信念を曲げない為、2回もらわれたのに、2回とも飼い主と意見が食い違い返品されてしまったそうです。反対に次郎は、とても臆病で人と目を合わせることもできないので、性質は優しいのに、見た目もみすぼらしいためか、誰からも声がかからず、ずっとここにいるそうです。
 だけど、そのお陰で私はこの2匹の犬と出会うことができ、助かったのだと思い改めて感謝した。

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歴史的事実に改編を加えた妄想小説です。

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