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ロクサーヌ (その63)

2147年10月 地球の空の上
  今我々が知っているのは、プラズマと呼ばれる物質の状態が、実に我々の認識を超えた生命体であるということだ。
プラズマはこの我々の知る宇宙空間のほぼすべてを占めている。我々の宇宙と重なり合う、別の宇宙であり、別の生命なのである。そして、太陽はまさにそのプラズマの一部分にすぎない。
 彼らは、我々がアイスクリームを好むように、氷河期の時代を作り、我々を含む我々の知る生命体を捕食する。そして我々が、温かいスープを好むように温暖化の時代を作り、我々を捕食している。恐らく彼らは、その食事を楽しんでいるのだろう。
 人類は、自身の文明が繁栄していると思っていたのだが、そうではない。繁殖させられていたのである。それは、ちょうど我々が、鳥や豚を肥え太らせ、繁殖させて我々の食事に供しているようにだ。
 我々は地球上空の成層圏上の宇宙船内にいる。そして、我々の船を取り囲むように彼らは、そこに存在している。電離層と呼ばれるプラズマとして。
 私が、もう一度kの行方を知りたいと思うのは、kの示した痕跡が、この宇宙の複数性を示していると思われるからだ。分裂しているのは人格ではなく、宇宙そのものだと私は思っている。
  かつて素粒子の世界でしか示されなかった複数の宇宙を、kが何らかの方法で行き来しているのだとすれば、その方法を知ることで、我々はプラズマという生命体がどのようにして食糧としての我々を管理しているのか、それを知ることができるかもしれないからだ。
 なぜそのよう思うのかと言えば、我々の宇宙ではプラズマはオーロラや雷の稲妻としての存在様式しか我々は認識することができない。しかし、生命体であるとすれば、別の宇宙では我々と同様の姿で存在しているかもしれないのだ。
  それは、恐らくとてつもなく巨大な人類として存在して居るのかも知れない。
この宇宙ではない別の次元の宇宙でプラズマの真の姿を確認できれば、プラズマに捕食されない未来があるかもしれないと思うからだ。
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