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ロクサーヌ (その66)

2140年7月28日(木)トーキョー
 私は、ラムに人の匂いのするところを探して行くように言った。
皇居の西側に今は廃線となった鉄道のレールがある。
それを辿って往き、レールの更に左側に渡ったところに出た。トシマクである。
 平和通りという大きな看板のある通りに出る。
そこからは、おいしそうな肉の焼ける匂いがしてきた。ケバブのようである。
ヒツジや馬の肉のようであり、懐かしい気がする。
ラムはヒトの匂いではなく、肉の匂いにつられたようである。
もっとも、ラムに言わせれば
「肉を焼くのはヒトだけなので、それで焼けた肉の匂いを探せば人がいると思った」
というのであるが、私は怪しいと思っている。
ともあれ、この通りにはたくさんの人がいた。
 街の通りを、ラクダやロバが歩いている。
見世物でもあり、荷物を運ぶための物でもあり、ペットでもあった。
うるさく騒ぐアヒルを追う人や、ハトや雀に餌をやる人がいる。
賑やかに、楽器を演奏したり、パントマイムを演じたり、路上に店を広げたりして、
人々は活気にあふれている。
 私は、店を広げている、ホセという人にここはどこなのか聞いてみた。
ここは『移民街区』と呼ばれている街で、文字通り、移民たちの街なのであるが、
移民の条件があった。
条件には、細かな規則がいっぱい定められているのだが、
主なものは、以下の3点であった。
日本の国籍を持たず、戸籍を持たず、パスポートを持たないことである。
要するに、日本人の身分証明書がなければ、たとえ両親が日本人でも移民とされるのである。
 ここでは、日本人の常識は通用しない。
移民たちと、ビジョニスタの関係はわからないが、私には
移民 ≒ ビジョニスタ または 移民 < ビジョニスタ のように見えた。
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