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ロクサーヌ (その82)

2070年 錦糸町
 私kは、今は、高齢者の収容施設にいる。
部屋は4人部屋で、居る者は殆ど認知症を発症している。
私は、錦糸町公園で倒れているところを発見され、救急車で運ばれたらしい。
実際私の妄想もひどく、今が1990年なのか、2000年なのか、あるいは2050年なのか、2070年なのか定かではない。またその何れであったとしても、あり得ることだと思っている。
 ここにいる人たちは、ある者は常にブツブツと独り何事かをつぶやいているし、また別の者は、際限なく話しかけてくる。また、大声で怒鳴っている者もいれば、暴力を振るう者もいる。
  そして、酸素マスクをつけられていたある者は、口から泡を吹きだし、ついにマスクを外され、翌日にはいなくなった。また別の者は、長年にわたる人工透析をついに止められ、最後まで死にたくないと言いながら3日後にいなくなった。
 私自身も、そのような者の一人なのだが、不思議と死の恐怖はない。
この世界がどうなるのか分からないが、最後に話をした杉原氏によれば、寒冷化の時代には、精神の革命ともいえる現象も起きているそうだ。困難な時代にこそ、人間の最大の能力である精神力が発揮されるのだろう。確かに、温暖で快適な環境では、精神力を発揮する必要もないのだろう。
そのことが、ある意味文明の衰退をもたらすのかもしれない。
 私の意識も、もうすぐ終了するのだろう。それと同時に、この世界も終わるのかもしれない。
私の主観を離れた、世界など存在しないからだ。
だが、ここでの私が終了するからと言って、有り得たはずのすべての世界が終了するのではないのかも知れない。
別の世界で、別の私が生き続けるのかも知れない、と私は思っている。

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歴史的事実に改編を加えた妄想小説です。

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