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ロクサーヌ (その88)

2140年 8月19日(金)トーキョー
私ロクサーヌは、ウシュパルクにご主人様たちを返してほしいと頼んだのだが、聞き入れてもらえなかった。その為、『心』を知るためにビジョニスタのリーダーに会いたいと思った。
「2丁目」で聞いてみると、王子の飛鳥山にビジョニスタが集まっているという。

キタク王子の飛鳥山という公園に行ってみた。そこは、江戸時代に庶民の為に作られた公園で桜の名所だという。そこへ行くと『光の友』という人たちがいて、そのリーダーがいた。アンという人だが、頭からすっぽりと白い服を着て、目だけを出している。

「私はロクサーヌと言います。お聞きしたいのですが、あなたはビジョニスタのリーダーでいらっしゃいますか?人の心とはどのようなものなの教えて頂きたいのですが?」


「私は、リーダーではありません。ここにリーダーなどはいません。あなたは、何のためにそれを聞くのですか?」

「私の大事な人たちが、壁の中に捕らわれていて、助ける為に『人の心』を知りたいのです。」

「心が何か、心があるのか、それはわかりません。ただ、私が見たこと、聞いたことをお伝えします。」

「見たこと。ですか?」

「そうです。私は、2500年ほど前に生まれました。もちろん、この肉体は、何度も死にました。けれど、私の『意識』は変わりません。それを『心』と呼べば、心なのかもしれません。

私が生まれたのは、砂漠の国でした。子供の頃に大きな川のほとりで、私はある老人に手招きされて、船に乗りました。そこで、この宇宙の始まりを見ました。

 暗い部屋の中で一匹の竜が口から炎を吐いていました。その竜は、全身が赤くまた黄色く炎のようにゆらいでいました。ただ、目だけは真っ赤に燃えていました。

 そして見ているうちに竜の体は回転して、炎がちぎれ、その炎がまた回転して、大きなガスの塊となり、大きな銀河が生まれ、その銀河がまた回転して、小さな銀河が生まれ、そして、それがちぎれてまた星が生まれ、次々に繰り返し最後にきれいな青い星が生まれました。

 表面はガラスのような海でした。そのような星が12個生まれました。そして、回転する星から生命と呼ぶようなものものが生まれ、これが私たちの星だと言われました。

 そこから、『神』が生まれました。『神』は私たちに似ていました。『神』は地上にあふれ、やがて銀河に飛び立ちました。けれど、他の青い星でも『神』が生まれ、同じように飛び立ちました。
そして、神々は出会い、お互いを初めて知りました。そして、お互いの姿を見て、好きになったり、嫌いになったりしました。やがて、争いが生まれました。

 私たちの星では、神は『人』を生みました。けれど、天上での争いに敗れ銀河をさまよいました。
私たちは、その『神』を『先に創られたもの』と呼んでいます。」

 私は『心』を知りたいのだが、この人の話も長い。
ラム・次郎の散歩とご飯の為に出直すことにした。
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