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ロクサーヌ (その93)

2140年 8月23日(火)トーキョー

鍾乳洞でお祈りをする人と話している内に、龍神の姿が現れた。

龍神は、お祈りをする人に、『自らが愚であると反省し、謙虚であれば寛容の精神が生まれるであろう』と言われた。

私は龍神に、もう一度人の『心』と、文明の衰退について尋ねた。

龍神は言われた。「あなたは、何の為にそれを知りたいのですか?」

「私は、私の大事な友人を助ける為に、そのことを調べています。そのことを、友人を捕らえた人たちに話し、友人を解放してもらうためです。」

「何故、友人を助けたいのですか?」

「友人たちは、私をいつも助けてくれました。今度は私が助ける番だと思っています。」

「あなたは、自分と友人のどちらが大事ですか?」

「どちらも、同じくらい大事に思っています。」

「友人の代わりにあなたを、差し出すように言われたらどうしますか?」

「私自身を差し出します。」

「そうなのですね。それが、つまり人の『心』です。自分と同じように他人を思い遣る気持ちです。
また、そのような『心』を失ったとき人は、堕落し、社会が衰退してゆくのです。
ある文明の衰退とは、そのような思い遣る心を失い、
人々が驕り、傲慢になり、保身に走った時に始まるのです。」

「友人を助けることは、出来るでしょうか?」

「友人は何故、捕らえられたのですか?」

「捕らえた人たちは、彼らの文明が衰退しており、その原因を調べている。
その原因を私なら分かるのではないか、私なら人の『精神』の秘密が分かるのではないか?
と言っていました。彼らには人の『精神』が分からないようでした。」

「その人たちは、文明が衰退するのを恐れていて、またその原因が分からないので、困っているのですね。その為に、友人を捕らえたというのであれば、とても理不尽なことです。
その人たちは、恐れから自らの保身のために人を犠牲にしようとしているのですね。」

「ええ、そうなのです。友人たちは、何の関係もないのに捕らえられました。」

「その人達に言ってあげなさい。それこそが、文明の衰退の原因だと。
その人達に必要なのは、自らを省みる反省心です。そして、反省し謙虚になれば、『心』を知り、人々と共に知恵を出し合えれば、文明の衰退も防げるでしょう。」

私は、タワーに行く決心をした。
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