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ルーム・ノヴァスの伝説 (その 26)

地球の空の上

ウシュパルクと丁仙芝は彗星の観測を続けていた。

「教授、彗星が大きくなっています。」

「何故だ、彗星が大きくなるなどありえない事だろう。」

「はい、今まではそのような観測はありませんでした。ですが、この彗星は確かに大きくなっているのです。既に直径は20kmにもなっているのです。

 初めのうちは、小惑星との衝突で小惑星と合体したのだろうと思われたのですが、どうやら小惑星を吸収しているようなのです。」

「どういうことだ?」

「彗星の進路にあたる小惑星が、消えてしまうのです。そして、その後彗星が少しずつ大きく
なっているのです。」

「小惑星を、消滅させているのか?」

「ただの消滅ではありません。消滅したのち、彗星に合体していると思われます。つまり、まるで小惑星を食べているかのようにです。」

「それでは、この彗星はやはり何かの意思を持っているのか?」

「今のところ、彼らからのメッセージと思われるものは確認されていないようです。」

「では、意味もなく、目的もなくただ小惑星を消滅させ、自らのうちに取り込んでいるのというのか?」

「何とも、今のところは分かりかねますが、ただ地球に近づいているのは事実です。巨大化しながら近づくとなると、大変危険です。」

「連邦政府は、それについて何か指示はないのか?」

「全く何も言ってきません・・・。それとは別に、例のタブレットの解読が成功したようです。」

「そうか、どのようなものだったのだろうか?」

「それが、正確にはこちらに伝わってはこないのですが、情報部のものに調べさせたところ、どうやらあのペーシュウォーダに関係しているようなのです。」

「ペーシュウォーダと言えば、ロクサーヌが見たという伝説の者たちのことか?」

「そうです。ルーム人と呼ばれていたようですが、ペーシュウォーダの一種族だったようです。」

「彼らは、10億年の昔に滅び去って、光のイメージとして宇宙をさまよっていると聞いたが。
そのルーム人は今もいるのだろうか?」

「いいえ、彼らもどこかへ消え去り、彼らが造った自動人形たちがジームラ・ウントと名乗り、その文明を引き継いだようなのです。あのタブレットはそのジームラ・ウントのものだったようです。」

「そうか・・・。伝説ではペーシュウォーダは銀河を支配しようとして宇宙に飛び立ち、そこで出会った『暗黒』に敗れたと聞いたが。
 
ロクサーヌが出会ったというペーシュウォーダは衰退の原因が『小さな私たちが増えすぎた為』と言っていたそうだが。
ルーム人もやはり滅亡したのだろうか・・・。」

「ERUの連中は、惑星ルーム・ノヴァスへ調査団を送ることを連邦政府に申請しているようです。」

「しかし、ジームラ・ウントがいるのではないのか?」

「タブレットの解析では、ジームラ・ウントも既にいなくなったようなのです。」

ウシュパルクは、惑星ルーム・ノヴァスに誰もいなくなった、ということが気にかかっていた。

「それほどの文明がなくなってしまうとは、やはり『暗黒』に関係しているのではないのだろうか?その原因をよく知らないうちに、調査団を直接送るのは危険ではないのか?」

「ええ、私も何か嫌な予感がするのです。この彗星と言い、何か惑星ルーム・ノヴァスと関係があるような気がしてならないのです。」

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