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ルーム・ノヴァスの伝説 (その 35)

 シミュレータの中で 1

 私セルナ・ラガシュは、ジームラ・ウントの最期を見た。

 彗星は巨大な惑星のようになり、天上を覆いつくした。
ジームラ・ウントの人々は、恐怖にかられ、議会では連日対応についての果てしない議論が続いていた。

 議員A「総理あれは、明らかに我々への攻撃です。直ちに宇宙軍を出撃させるべきではありませんか?」

 議員B「いや、総理あれは、他の文明からのメッセージです。我々もメッセージを送るべきです。」

 議員C「総理そうではありません。あれは単なる物理現象です。むしろその軌道を変更させるために物理的な衝撃を与えるべきです。」

 議員D「いいえ、総理あれは、新たな啓示です。神が新しい惑星を我々にプレゼントしてくれたのです。直ちに訪問してお礼を述べるべきです。」

 国防省の長官が発言した。
「あれが、何者なのかは分かりません。しかし、このままでは衝突の可能性があります。もし議会での決議があれば、攻撃する準備はできています。」

 「攻撃とは具体的にどうするのですか?」

 長官が答えた。
「核融合プラズマ砲を発射します。」

「それは、既に完成しているのですか?」

「核融合プラズマ・リアクターの動作確認はできています。」

「そのリアクターは平和目的だったのではないのですか。究極のエネルギーを平和的に利用することで、エネルギー問題と戦争から解放されるのではなかったのですか?」

「あくまでも平和のためです。我々には市民の安全を守る義務があるのです。」

「総理、市民の意見を問うべきです。国民投票を行うべきです。」

そうして全市民による投票が行われ、圧倒的多数で彗星を破壊することが決まった。

核融合プラズマ砲が発射され、彗星は大爆発を起こした。

長官が総理に説明した。
「総理、破壊には成功しましたが、消滅はしませんでした。予定では、高エネルギープラズマの照射によって彗星自体のプラズマ化を引き起こし、他の宇宙に転送させるはずでしたが。コントロールできなかったようです。」

「避難する準備はできていますか?」

「はい、予定通り10万人分だけですが、宇宙船が用意してあります。」

「そうですか、ではそのように進めてください。」

「残りの市民は、どうしますか?」

「議会と全市民による投票で決めたことです。その決定に従うだけです。市民には順次宇宙船を用意中だと伝えてください。」

そして、流星が降り注いだ。

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