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ルーム・ノヴァスの伝説 (その 50)

 アシナ島で。

 島へ来てから、3週間ほど経つが、新しい発見はない。ルーム人の文明の跡は、あの古びた塔だけだ。タブレットでは、科学調査団が必要なほどの発見があったはずなのだが。

 ヨルダネスは、あの日のことは何も話そうとしない。ただ徒に、この密林の中を回っているだけのようにも思える。

 ひょっとすると、あの日ルーム人の文明につながる何かを既に発見していて、それを僕に知らせないようにしているのか?

 だが、助手であるティム・テギュンに隠すというのもおかしな話だ。
ティム・テギュンを疑っているのか?ティム・テギュンは遊牧民の出身だから、それもありうることだ。

それでも、隠さなければならないほどの秘密があるのか?

 考えれば考える程、ヨルダネスが疑わしく思えてくる。
疑心暗鬼が心に渦巻いてくる。

このままでは埒が明かない。
もう一度、塔の入り口に行ってみて、確かめる必要がある。

 そう決心すると、僕はヨルダネスとは別行動をとった。独りで、塔の入り口に行ってみたのだ。

 だが、結果は同じだった。ドアは開かない。後は、このドアを壊してでも無理やり
入るしかないのだが、それはさすがにヨルダネスが許さないだろう。

 疑心暗鬼は既に、苛立ちに変わっていた。
ヨルダネスは、そもそもジームラ・ウントのことしか考えていないのだろう。
きっと、誰にも本当のことは話さないのだろうし、あのタブレットでもこのことは秘密にされていた。

 ジームラ・ウントが世界を征服するために、ここへ来たのが始まりなのだから。
そうであれば、ヨルダネスが遊牧民のティム・テギュンには本当のことを話さないのも当然かもしれない。

 だとすると、ここでは今回は何も発見できないままなのか?
いや、3か月もいたからには、何か見つけているはずだ。
だからこそ、もう一度調査団を派遣したのだから。

 ということは、僕には内緒で何か調査をしているのか?
例えば、夜のうちに行動しているのか?

 まずい、心が乱れてきた。冷静な判断が出来ない。このままでは、ヨルダネスと衝突するかもしれない。それではダメだ、せっかくここに来ているのだから。
どうにかして、秘密を探りださなければ。

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