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ルーム・ノヴァスの伝説 (その88)

「それは、6年前に天地を揺るがす大地震があったのです。

夜なのに、昼間かと思うほどの光が空を渡り、大地が揺れて多くの城や柵もみな壊れてしまい、海からは津波は押し寄せて大勢の人が飲み込まれてしまいました。

その傷も癒えぬうちに、和人どもは、壊れた城の修理や柵の衛兵になどと人々を駆り出すのです。そこにまた凶作が重なり、人々の不満も限界に達しているのです。」

「その様な災害に、日本の国はどの様な対策をされたのですか?」

「無策です。6年前には流石に、税が免除されましたが、それ以外には何もないのです。記録にも残さないほどです。」

「どうして、その様な仕打ちをするのでしょう?」

「分かりません、ただこの十年来西の方でも富士山の爆発や大地震が続いているので、朝廷も大変なのだとは思います。

ですが、私たちとしては、元はこの国は北から南まで、私たち日高見国だったのです。それが、和人がいつの間にか押し寄せてきて、もちろん良いこともありますが、殆どは戦を仕掛けられて、やむを得ず和睦して、共存しているのです。

それなのに、このような災害の時に手助けするどころか、かえって労役を課されるのは我慢の限界なのです。」

「そうなのですか。元は日高見国だったのですか。では、日本というのは後からできた国なのですか?」

「日本というのは、元は日ノ本なのです。日高見国と同じ意味なのです。彼らは倭国と称していましたが、唐と戦って負けて、大陸から引き揚げたのですが、それ以後、日本と称するようになったのです。

日ノ本とは言えなかったのでしょうね。それまで、蝦夷と言って、別の国扱いしていたのですから。でも、唐に負けたので、自分たちだけでは防げないと思って、私たちを取り込むつもりで同じ名前にしたのではないのでしょうか。」

「あの日本の兵士たちは、赤鬼と言っていましたが、それはどういう意味なのでしょうか?」

「私たちの中には、髪の色が赤だったり、茶色や金髪の者もいるのです。目の色も明るい茶色や、青いものもいます。日本人に比べて、深目高鼻で彫が深い顔立ちで、髭や体毛も濃いものが多いのです。ですから、毛人とも呼ばれます。それらは彼らから見て異質に見え、鬼と呼ぶのです。」

「そうですか、私たちソグド人も、唐から見れば毛人で、深目高鼻です。似ていますね。ですが、日本国の神話では、ここは神が創った島で、天皇家がその神の子孫ではないのですか?その為、あなた方を蝦夷、まつろわぬ民と呼んでいるのではないですか。」

「その神話とやらも、私たちの知る神話とは違うのです。彼らは、あとから来たのに、ここを自分たちの為に神が創った土地だというのです。でも、ここには私たちが元からいたのです。そのことを、信じて欲しいのです。」
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