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『kの回想』 21

「芦名は今、どこにいるのですか。」

「彼の魂は、時空を漂っています。行く場所もなく、無限の地獄を宛てもなく彷徨うでしょう。


神の意志は、人が平和に生きることを求めています。欲望を抑え、嘘をつかず、ただ日々を静かに送る事です。そうすれば、争うこともなく与えられた生命を全うし、やがて天国へ行くことが出来ます。

幸福は与えられた生命の中で、自由に生きることです。枠を超えようとすることで争いが起こります。病気、貧困、事業の失敗、家族の不和、他人との争いは全て、自分の欲が招いているのです。生活態度を改め、節度を持つことで、解決できることです。

我々は、そのように生活態度を改めて人生をやり直す機会を与えています。神の意思に従い戒律を守ることで、平和に生きることが出来るのです。戒律を犯すものには、死が訪れます。

平和を破る者を神は許しません。自分の欲に魂を委ねることは、死に至る道です。
その意味で、魂の自殺と言ったのです。」

「芦名の母親は病気と聞きましたが、ここに居るのですか。」

「ここには、居ません。しかし、我々と共にいます。あなた方が、我々と共に神の道に生きることを望むのなら、彼女が幸福に生きていることを知ることが出来ます。

それから、安禄山さん、あなたは波乱の人生を生きてこられた。もし、平和に生きることを望むのなら、我々と共に来られたらどうですか。」

「私は、あなた方に従うつもりはありません。確かに以前は、争いの中にいましたが、今はそうではありません。

私は自分の欲に従うつもりはありませんが、自分の意志に従いたいと思います。神とか、悪魔とかは分かりませんが、どちらにも従うつもりはありません。

自分に従っていきたいと思います。」

三人には釈然としない思いが残ったが、一旦貿易風に戻ることにした。

マスターが、口を開いた。
「安さん、あなたはどう思いますか。あの教団の人達は何を目指しているのでしょうか。」

「私は、あの人達に邪悪なものを感じます、平和を目指すと言いながら、一方では神に背くものは許さないと言います。

彼らに対立するものがいるという事でしょう。対立者を赦さないというのは、平和と矛盾するのだと思います。」

清原が言った。
「私も何か、おかしいと思います。彼らの周りで行方不明者が出ているのだから、警察に届ける方が良いのじゃないですか。

彼らは、魂は不滅だと言い、死んだ者も蘇る、新しい肉体を手に入れる、と言っていますが、それはどういう事なんでしょうか。翔の母親も、やがて蘇ると言っていましたが。」

安禄山が言う。
「あそこにいる人たちは、皆行方不明とか、死んだことになっている人たちなのかなあ。」

「それは、行方不明になった人に、死んだ人の戸籍を与えて、もう一度別の人間として生活させている、という事ですか。」

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