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NEXT LIFE  麗珠 9

 私は、病室を出ると、石井刑事に身元引受人になる事を承諾したと伝え、木村麗珠と共にその日は御徒町の石材工房へ向かった。そして、出来上がったガネーシャを持って工房を出た。

 それから、2人で銀座の画廊に行き、そこから波止場へ向かった。
波止場に着くと、エリザちゃんが待って居た。

「これから、船に乗るんだね。」

「そうだよ、エリザちゃんも乗るの?」

「うん、私も一緒に行く。」

「じゃあ、みんなで一緒に行こう。ところで、どこに行くの?」

「赤い星、あそこに光ってる星。」

「あの星は何なの?」

麗珠が答えた。「あの星が新しい人生の星。」

 船に乗って、出発した。


1980年

「社長、また山川という方から電話です。もう、朝から3回目です。いい加減、出てくれませんか?」

「だめだ、外出中だと言ってくれ。今日は、ずっと戻らないと言うのだ。」

「分かりました・・・。すみません、今日は一日不在で戻りません。外出先は、わたくしではわかりませんので、・・・ハイ、お電話があったことは記録しておきますので、ハイ、失礼いたします。」

 山名響子は、波多野の事務所で、受付の電話を取っていた。かかってくるのは、ガラの悪い声の男たちからばかりだった。その男たちの中に私もいた。

 ここが赤い星だというが、別に変わったことは無い。前とほぼ同じ人生を生きている。変わったことと言えば、前の続きではなく、香が誕生したところから始まっていることだ。と言っても、まだ生まれてはいない、おなかの中だが。

 どういうわけか、麗珠の意識と時々重なってしまう。ずっと傍にいるとはこういう事なのか。麗珠では無いが、麗珠の感覚を見ているのか?どうにも居心地が悪い。

 波多野が外出した。「響子、ちょっと出かけてくる。7時には戻ってくるから、それから食事に行こう。それまで待っててくれ。じゃあ、行ってくる。」

 波多野は近頃、外出が多い。仕事なのか?金策なのか?毎日のようにかかってくる電話は、ほぼ全て督促の電話だろう。仕事があるようには思えない。

この状態では、会社がつぶれても仕方がないだろう。何とかならないものか。

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