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NEXT LIFE  新しい人生 2

 周囲から反発され、孤立することも問題だが、私にはもっと優先すべきことがあった。私としては、波多野が気にかかっていた。何故、私の所為で失踪することになったというのか? 私の記憶とは違っている。

「何ですか?」

「波多野紘一が、失踪するのは、もう間もなくだと思うのですが、その事については石井刑事は何か言っていませんでしたか?」

「いやぁ、波多野についてはただ室田の名前を使っていたとしか聞いていませんねぇ。そこから、山本一郎とのつながりや、密貿易の疑いが持たれているだけですよ。それ以前の失踪については特に関心はなさそうでしたよ。」

「そこを調べてもらいたいのですよ。私の所為にされるのは、どうも納得がいかないのです。」

「それは、自分で調べればわかるのじゃないですか?サラ金の客なら色々と情報も調べられるでしょう?」

「そうでしたね、自分で調べてみますね。でも、田口さんも協力して下さい。私をマークするよりも、波多野をマークしてもらいたいのですよ。波多野を追い詰めた奴が誰かを知る必要があるのです。」

「じゃあ、分かりましたよ。但し、条件があります。」

「何ですか?」

「これから、もう一軒付き合って下さい。」

「いや、田口さん今からは、ちょっと、もう十分飲んだでしょう?」

「いや、行きつけのスナックがあるんで、そこで飲みなおしましょう。」

 そのスナックは神泉にあるという。私のアパートは吉祥寺だから、また渋谷に戻るのは辛い。だが結局、その条件を飲むことにした。

 田口の今の職場は渋谷だという。そこから神泉にあるアパートまで歩いて帰るのだが、月に何度かそのスナックによって飲むことがあるという。

 ルナという名前のそのスナックは、神泉の駅から近い路地にあった。
店の前には小さな丸いテーブルが置かれて、椅子が1脚だけあった。
店の屋上近くからライトが照らされ、入り口の手前の地面に、白い楕円が浮かびその中にLUNAという文字がピンク色に映し出されていた。

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