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NEXT LIFE  梢 9

 月成の置いていった名刺は、赤坂3丁目のクラブ睦の名刺だった。源氏名は凛。

「kさん、何か変な薬でも飲まされたのかい?苦しそうにしていたけど。」

「いや、コーヒーしか飲んでないのだけど、途中から何だか分からなくなって、ぐるぐる眩暈はするし、倒れるかと思ったよ。鈴木さんが来てくれなかったら危なかった。何か、頭の中で声が聞こえていたような気がするけど、ほとんど覚えていないんだ。」

「でも、あの2人はどんな関係なんだ?月成というのは相当やばい人物なんだよ。公安も探しているはずだ。そんなのと、梢ちゃんが親しいとはね。」

「波多野の会社で働いていたというのは、嘘なのだろうか?」

「まあ、出入りはしていたのかも知れないけど。さっきも話したように、あいつは爆弾テロ事件の犯人なんだ。爆弾だけではない、自動小銃などの武器弾薬の調達が専門だった。それが出入りしていたということは、アーリア商会を使って武器弾薬の密輸をしていたのかも知れない。」

「密輸か。でも、もしそうだとすれば、波多野もテロに関係していたという事か。」

「うむ、波多野の思想関係は分からないけど。まあ、思想抜きに利益のためだとも考えられるけどね。」

改めて、テーブルの上に置かれた名刺を見てみる。
「この名刺が、山名響子の名刺なのかな。源氏名が凛か。」

「そうだな、この店に行って確かめる必要がある。」

「鈴木さん、また付き合ってもらえるかな。どう話せば良いのか、自信がないよ。また変な奴が現れるかもしれないし。」

「大丈夫、俺の役割は、kさんを監視することだから。頼まれなくても、見ているよ。」

 鈴木の言葉は、当面の不安を和らげてくれるのだが、同時に、私と鈴木の関係を再確認させるものだった。
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