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NEXT LIFE  この世界の秩序 5

 この世界の秩序、緻密で圧倒的に巨大な秩序。それに抗うというのは、巨大な機械の重力に逆らう小さな歯車のようなものだ。いつ消されてしまうのかもしれないのだ。

あの時、香の入院した病室で、山本一郎に私は尋ねた。

―――――
「どうして私なのですか。」

山本は、理由が2つあると言った。

「理由は2つあります。一つには、私達の血統です。『天の船』は、およそ1万年前から続く一族によって伝承されてきました。今では世界中に散ってしまいましたが、その血族が引き合うのです・・・」

「では、私もその血族だという事なのですか?」

「そうです、様々な縁起によって私達は結ばれているのです。」

「もう一つは何ですか?」

「あなた自身の迷いです。」

「どういう意味でしょうか?」

「あなたは、今は別に不満もなく人生を送っている、と表面では考えています。ですが、あなたの周りには、不幸が存在して居る、とも考えている。

 しかし、それは矛盾しています。自身が幸福ならば、世界も幸福でなければならない、とあなたは考えている。世界が不幸で自分だけが幸福、という事はあなたにとってはあり得ない事なのです。

 つまり本当は、あなたは今の人生に満足はしていないのです。別の人生を、求めているのです。ただ、それを認めたくないので、満足していると思い込もうとしている。その事に、あなた自身も気づいてはいるが、心の奥に押し込んでいるんです。

それが、あなたの迷いなのです。

あなたは、『天の船』に招待されているのに、まだ船に乗ろうとしないのは、世界の見方に関して、自分の中でまだ迷いがあるからなのです。」

「つまり、私の迷いが私をこの世界にとどめているのですね。」

「そうです。しかし、その迷いが、あなたの役割なのかも知れませんが。いずれにせよ、あなたの迷いのおかげで、麗珠の傍にいることが出来るのですから。」

―――――
迷いは、今もある。果たして、あの船に乗ってこに来てよかったのか?

月成と会ってみて、私は自分がしようとしていることに、少し恐怖したのだ。

香を襲撃したのが月成だとすれば、テロリストの一味に襲われたという事になる。
単なる宗教団体の争いではないという事だ。

神州光輪会をもっと調べる必要もあるし、その前にやはり、この世界で山本一郎に会ってみる必要がある。

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