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NEXT LIFE  変革の時 2

 福井県の敦賀半島では、1970年代から幾つかの原発が稼働し始めた。商業炉としては日本で最初だが、原発事故も1973年に日本で最初に起きた。そしてその事故は秘密にされ、公的に認めたのは1976年になってからだった。

 日本政府の原発に対する、秘密主義の為なのか、それとも、別の目的がある為なのか、原発にトラブルはつきものだったが、それも常に隠されてきた。この、日本海に面した、敦賀半島には、10を越える数の原発があるがその内、1979年に運転開始した「ふげん」は、プルトニウムを利用する目的で作られた。

そして、敦賀半島には、大陸からの漁船の侵入も多く、密貿易も多いところであった。

「田口刑事、東久留米市の貿易商社で、不正に工作機械を北の共和国に輸出しているという告発があったんです。調べてもらえますか。」

何で新入社員の石井に使われなきゃならんのだ。そう思いながらも、「分かりました。早速調べてきます。」と、愛想よく返事して、出かけることにした。

―――――― そうだな、この時が石井刑事と初めての仕事だった。まあ、向こうはキャリアなのですぐいなくなったけど。思えば、あの事件も、北の共和国絡みだったんだよな。

東久留米市の南沢付近にその貿易会社はあった。

近所の人の話では、食品の輸入卸で、よく府中の方に言っているとの話だった。とても、真面目な社長だと評判だった。社長は室田哲男と言った。

「どなたかいますか? 社長さんはいますか?」

小さな会社で、引き戸のドアを開けて呼んでも、誰も出てこなかった。

―――――― 不用心な会社だな。と言っても、こんな田舎じゃ誰も悪さするやつもいないか。

 東京のベッドタウンに位置する、この街は、昼間人口が少ない。中でも、この辺りは、駅からも離れた住宅地、或は畑地や林の中にある。歩いている人の姿もあまりないくらいだ。

暫くすると、女性がやって来た。「こんにちは。社長の室田さんはいますか?」

「ああ、今は府中の方に出てますけど。何か御用ですか?」

「いや、ちょっとお伺いしたいことがあったものですから、お忙しいんですね。」

「そうですね、殆ど社長一人で回しているようなものなので。」

「奥さまですか?」

「いえ、唯の、従業員です。」

「また、改めますけど、お名前お伺いしてもよろしいですか?」

「私ですか? 波多野と言いますけど。」

「波多野さん、ですか。では、社長さんに、よろしくお伝えください。鈴木と言います、これ、私の名刺です。」
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