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NEXT LIFE  変革の時 19

 山川が、更に自分の思いを話した。

「それで、改めて、気が付いたのは、何も考えずとも、人生は通り過ぎる、それは先程話した、関りの無い人々の事ですが、肝心の自分自身をそうやって、関りの無いものとして無関心でいたのです。

勿論、私は半島北部の出身で、戦時中に日本に来ましたので、それなりに、苦労はしています。経済的にも、或は民族的なこともありますし、まして、祖国が南北に別れて戦ったりしましたから、学生の時にも、在日同士で南と北に分かれていがみ合う。同じ祖国を持ちながら、そんな風に争ってきました。

日本人なのか、半島人なのかその事でも悩みましたし、仕事でも、堅気の仕事ではないこともありました。そんな事を考えれば、目を瞑って生きてはこれ無かったはずですが、でも実際は、自分自身について、目を開けてしっかり見ていた、考えていた事は無かったのです。その日を、その人生を、やり過ごす、生き延びる、唯それだけでした。

でも、改めて今回の事で、真剣に話し合ってみると、自分がどうしたいのか、どうすべきなのか、それが自分の姿が少し、見えてきました。大事なのは、やはり自分に対してもっと真剣に関心を持つことなのかな、とそんな気がしたのです。上手く説明できなくて済みません。」 

――― 山川は、波多野の事を思いながら、自分も、出来れば平和に生きたいのだ、と思っていた。変ることが出来るとすれば、今しかない、とも思えた。

遠藤が、話し始めた。

「実は、私も、不思議な気がしているのです。この人生は、もう何度も繰り返してきました。ですから、そういう意味では、ゲームの仕組みも分かるし、先に起こる事も大体読めて来ましたから、目を瞑ってでも生きられる、という気持ちも分かります。

ところが、肝心なことは、何も変わらない。変えられないのです。次の人生では、あんな失敗はしたくない、などと思いながらも、同じような失敗を繰り返すのです。それで、自分は何の為に何度も繰り返し生きているのか?人生の過ちを正す為ではないのか?などと、思ってみたりするのです。

この様な疑問を、持っているので、それを山本先生に尋ねてみたいと思っているのです。」
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