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NEXT LIFE  知らない世界 3

 月成にとって、花澤の厳しい態度は予想外だった。花澤自身がかつてアジア主義に基づいた革命を目指していたのだから。

「孫文については、アジア主義の演説を神戸で行い、東洋の王道を目指すべきだと説いていました。欧米の帝国主義を覇道と呼び、日本がその走狗とならないようにと懸念していたのです。勿論、それは大大1次大戦後の日本の中国に対する対華21条要求が念頭になったと思います。

この要求には頭山満先生はじめ多くのアジア主義の先輩が懸念を示していました。」

「その演説は1924年の事ですが、その前にロシア革命が1917年に起き、コミンテルンの工作員が既に中国にも浸透していました。孫文自身が1923年に、ソ連の軍事顧問を受け入れています。ボリシェヴィキによるロシア革命を見習おうとしていたのです。

共産主義が悪いと言っているのではありません。問題は、アジア主義が白人種による東洋支配を脱するのを目的と言い、欧米の支配を覇道と呼びますが、中国の支配、つまり伝統的な儒教思想の基づく王道支配とは一体何か、です。

中国による、或は日本のアジア主義者による、王道支配とは、自からの支配を、王道と呼び、他の支配を覇道と呼んでいるに過ぎず、結果に於いては自己による領土拡張と他民族支配を正当化しているのです。」

――― 花澤先生は、どうされたのか? 以前なら、中国や北の共和国とも、心を開いて話し合えば、ともに歩める道が見つかるはずだと、決して一方的に非難するようなことは無かった。何故だ、まるで別人のようだ。

 「清朝政府崩壊とともにモンゴルとチベットは独立政府を作りました。ロシア、ソ連の保護を受けたモンゴルは独立を保ちましたが、チベットは中国による侵略を受けました。
ウイグルは地方政府が中央政府と交渉するとしましたが、まとまらず、東トルキスタンという独立政府を作り抵抗しました。満州は、地方政府と中央政府が争いました。後には日本が占領し、満州国を作りましたが。

ですが、第2次世界大戦の後は、ソ連の後ろ盾を得たモンゴル以外は全て中国に征服されました。
この事をどう見ますか? 孫文の辛亥革命とは一体何だったのでしょうか? 貴方は明治維新の後、日本がアジアを侵略したのは、欧米の手先になったからだと思っているようですが、実際には中国自身がアジアのモンゴル、満州、ウイグル、チベット人を侵略し抹殺しようとしているのです。

それは、明治維新の後、朝鮮、満州、中国へと戦争を拡大した日本と同じではないでしょうか?それは、白色人種による有色人種の支配、侵略という事と、同じではないでしょうか。今、中国政府によって、ウイグルでは核実験が行われ、多くの犠牲者、被爆者が生まれています。

これは、広島や長崎と変わりがないのです。中国政府による、民族の抹殺はホロコーストと変わりがないのです。
それを、貴方はどう思いますか? それでも、アジア主義などという夢物語を語るのでしょうか。それは、理想などでは無く、嘗て、侵略の大義とされた様に、今でも、民族抹殺の大義となっているのです。」

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