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月の光 3

 「そうすると、濁流に流されてここに埋まっていたんだね。それはいつ頃のことなの?」

 「分かりません、ちょっと待ってください。」モナは難しい顔をして、考え込んでいるようだった。

 「5万と2、321年前ですね。あぁ、違いますね、もう午前0時を回りましたので、52、322年前ですね。」真顔で、とんでもないことを言う。

 「ええっ、そんなに長い間?その間、一体何をしていたの?」

 「何もしていません。私は、先程貴方に助けて頂くまで、ずっとここに埋まっていたのです。ですから、その間何もしていないのですよ。」モナの話は突拍子もないことに思えたが、噓をついているとも思えなかった。

 やがて、人々の声が聞こえてきた。きっと、あの光と音の原因を確かめに来たのだろう。僕はモナを伴って、僕の列車のような住処に戻ることにした。

 「これが、僕の家だよ。さあ入って。」

 モナは僕の列車ハウスを見て呟いた。「これは、箱舟ですね。」

 「貴方は、いつからここに住んでいるのですか?」モナは眼を大きく見開いて、信じられないというように僕を見た。

 「残念だけどモナ、これは箱舟ではないよ。僕もいつからここに住んでいるのかは覚えていないけど、小さい頃から住んでいるよ。だから、箱舟ではないことは分かる。」

 「そうですか、でも私の知っている箱舟と、とても良く似ています。」

 モナと一緒に列車ハウスのタラップを上がり、家の中へ案内した。
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