fc2ブログ

月の光 67

  モナは、5万年前の記憶を少しずつ、思い出しながら語り始めた。

 「私が生きていた社会は、2つの階級からできていました。一つは、神々に仕え、神々からの啓示を受けて、それに基づいて、社会を組織する知識階級です。

  もう一つの階級は、知能より気力、体力に秀でています。彼らは忍耐強く労働することに適性があり、優秀な者は企業を経営することも可能です。もっとも、大半の者は、政府または企業で雇用される労働者になります。」

 「モナちゃん、ちょっと待って。エ・モナっていうのは自動人形だろ。それでも階級があるのか?」
斎藤が、意外そうに質問をする。

 「そうなんです。理由は知りませんが、私達の社会は綺麗に分かれていましたね。」

 「じゃあ、労働者に生まれたものは、ずっと労働だけなのか?」

 「制度的には、誰でも大学で学ぶことも可能ですが、卒業試験で振り分けられますので、大体は落後してしまいます。

 知識階級は、特別に知能が発達しており、若いうちから、あらゆる学問を学びます。彼らは議会を設置し、そこで議論を重ね、共同で政治を行います。

 労働者と、知識階級は、もともと知性の方向性、適性が違っているみたいです。でも、その事で不満はありませんでしたね。誰でも、得意な方に進むだけですから。」

 「そうなのか、つまり、それぞれの適性が、生まれた時には決まっていると言うことか。」

 斎藤にはまだ、少し理解しがたい、不満があった。
 
 「と言いますか、そのように異なる適性をもって、生まれる、作られると言うことなのです。ですから、それぞれのエ・モナに、それぞれの個性があって、その向いた方向に進むことができると言うことです。」

 「商人と言うのはいないのか?知識階級と、労働者階級だけなのか?」

 「商人は、労働者階級です。勿論、知識も必要ですが、エ・モナの商人は、目的が利潤追求ではないので、むしろ物流に近いのです。色々な商品を流通させるのが目的ですから。」

 「ふーん、そうなのか。まあ、よその国の事だからな。よくわからんが、まあいいか。済まないな、話を続けてくれ。」
 
 結局斎藤は、考えてもよく理解できないので、質問を打ち切った。

スポンサーサイト



プロフィール

gasset

Author:gasset
FC2ブログへようこそ!
歴史的事実に改編を加えた妄想小説です。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
カレンダー
09 | 2020/10 | 11
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

フリーエリア
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR