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ロクサーヌ (その10)

 この国ではだれも働く必要がない。能力に応じて自らの仕事をしているだけだ。生活に困ることもない、必要なものは全て体に埋め込まれたチップによって、消費され記録される。なのでレストランの食事も清算はチップによってなされる。娯楽施設もすべて無料である。料金の概念がない、何かを交換することもないのだ。しかし、それが幸せとは限らない。国家という集団作り、その中で生活するためには組織を統括するリーダーが必要だ。この国にもリーダーがいてあれこれと指示を出すものがいる。そしてその指示に従うものがいる。経済的に服従する必要がなければ、なぜ人は誰かに従うのか?かつては、経済的な理由から集団を作り組織を作り、その中で従って生きてきた。それが、階級とか身分とか差別を生み出した理由と思われていた時代もあった。だが、ここではその必要もないのに管理するものと、管理されるものとがいる。お金のためではなく、自分のやりたいことを実現するために人は人とつながろうとする。共同作業をすることに喜びを見出したいのだろうか?そして共同作業を始めた途端に、集団となり組織を作りそこにリーダーが生まれ、クラスが生まれる。そのことに、反発するものがいる。意見の対立が生まれ、分裂しまた争いが生まれる。ここでは、生きるためとか、生活のため、貧しさのためなどという言い訳は通用しない。そんなものは存在しないからだ。この国はかつて、貧困から解放されるため、人間の自由を実現するためというスローガンのもとに科学的共産主義を目指していた。それは、ほぼ達成されたのだろう。ここでは、私有という概念は存在しない。その必要はないからだ。だが、それでも何故管理するものと管理されるものがいるのか?私にはそれが不思議だった。
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