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ルーム・ノヴァスの伝説 (その 17)

翌日もセルナはひたすら、解読作業に没頭した。

セルナによるタブレットの解読

講師パシャが言う。

「『銃』の発明によって、闘い方が変わりましたが、それは単に軍隊における戦闘方法が変わっただけでなく、社会のひいては文明の在り方そのものを変えたのです。

 東に興ったキッシュ人の帝国では歩兵中心の軍隊が作られ、今までの騎兵隊は廃止されました。
騎兵隊よりも戦車で一度に大量の兵士を運ぶことが重視されました。質よりも量の時代、弓矢の技術よりも何発の弾を早く打てるか、が重視されたのです。

 そこでは、一発の銃弾の命中精度ではなく、ミスを全く気にかけずに次の弾を打ち続ける合理性が要求されるのです。

 そのキッシュ人の前に古い遊牧民の帝国も、変革を迫られました。生き残りをかけて、国の仕組みを変える努力がなされたのです。

 メルキト、サラカン、オグズ、ゲルピドなどの諸国家は、連合して新しい帝国を打ち建てました。
下からの革命ではなく、上からの改革です。

 新しい帝国は、首都をセリムという都市に定め、国名をセリム帝国としました。
帝国議会を持ち、各遊牧国家には相応の自治権も与えられました。
そして、戦士たちは、帝国軍隊として一から再編されたのです。
このようにして、『銃』による変革に対応したのです。

 一方、北方の海の民は、自らを『ルーム人の子孫のロムリア人』であると称しました。初めのうちは、ただロムリア人と自称していたのですが、東のキッシュ人に対抗するためにも、『ルーム人の伝説』を利用した方が闘いに有利であると判断したのです。

 こうして、3つの勢力による闘いが繰り広げられることになりました。
銃の闘いの時代になると、もう新しい予言は現れませんでした。

『予言』は一つのヴィジョンであり、夢でありました。この徹底した合理主義の時代には、そのようなロマンは生まれなくなったのです。ロマンを追求して、闘いに勇者や戦士としての中世的な美を持ち込むものは、たちまち銃弾の前に砕け散ったのでした。

 またメサスにおける宗教の変質のように、教会自らも生き残りをかけて変わろうとしていたのです。
未来を見るというよりも、現在を生き延びることに必死になっていたのです。

 このような戦いの時代に、我がジームラ・ウントはひたすら耐え忍び、アシナ島に残された『ルーム人の文明』を研究し続けたのです。
電子エネルギー砲を開発するまでに600年の時を要しました。

次回は、ジームラウントによる統一戦争です。」

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