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ルーム・ノヴァスの伝説 (その 20)

タブレットの解読 最終日

講師パシャが言う。
「世界統一後のジームラ・ウントの計画は宇宙への旅立ちです。

 これもまた、ヨルダネスの報告により計画されていた事でした。ヨルダネスによる調査団は、1年の期間をかけて、ルーム人の文明の記録を持ち帰りました。

 ヨルダネス自身はその後にまた、助手のティム・テギュンと共にアシナ島へ行き残されたルーム・ノヴァスの調査に向かったのですが、半年後に戻ってきたのはティム・テギュンだけでした。

 ヨルダネスは森の奥深くへ行ったまま消息不明となったのです。その後も数次にわたり捜索隊が送られましたが、結局不明のままでした。

 その為、我々に残された資料だけではルーム人が何故いなくなったのかは不明のままです。

 しかし、彼らが彼らこそが我々の創造主であり、太古の破局の前に我々を残したまま宇宙へ飛び去ったことだけは記録から明らかになっています。

 そして今、我々は当時のルーム人の文明の水準にほぼ達したと言えます。

我々は、我々自身を創ったルーム人を知りたいと思っています。
それは、我々が一体何者なのか、を知りたいということでもあります。

 また、ルーム人が残した『ペーシュウォーダの伝説』によれば、ルーム人は自身をペーシュウォーダの一種族であるとしています。

 かつてペーシュウォーダという人々が造られ、幾つかの青い惑星に分かれていたそうです。そして彼らがそれぞれ宇宙に飛び立ち、お互いを知った時に争いもまた起きたというのです。

 これは私の推測にすぎませんが、太古の破局はその接触の過程で起きた一つの事件ではなかったのかと思っています。

 我々の歴史を顧みると、幾つかの都市や国家の接触は争いを引き起こしました。それぞれが、自由に自己を支配したいというのが本来の希望です。それも、出来れば争そうことなくです。

 しかし、文明の接触は、結果として支配と被支配の争いにつながったのです。

 これは残念ながら、我々の時代には、解決することができなかったのです。

 私の希望は、諸君らがこれから、宇宙への冒険に飛び立ち、他の種族の文明に遭遇した際に平和を保ってほしいということです。

 ただし、その相手が我々の自由を奪おうとしたときには、ためらうことなく戦う勇気も必要です。
いかなる場合も敗北は死につながる、というのが歴史の事実だからです。

 それが、突然の死なのか、長い衰退を通した滅亡なのかは分かりません。しかし、自由は独立なくして得られないのです。そのための準備を怠ってはいけないのです。」

以上が、タブレットの解読だった。
最後は、読み飛ばした個所も多いのだが、期限を延ばすことができないので割愛せざるを得なかった。

午後になって、アラン教授がやってきた。

「オリガ君、ご苦労だった。解読は終わったんだろうね。」

「はい、終わりました。」
私は、ヨルダネスの記録や、幾つかの不明点については言わなかった。

「よし了解。では早速、検証作業に入ろう。セルナ君、シミュレーターにデータを統合したまえ。」

「はい、承知しました。」

セルナ君は、何の躊躇もなく検証作業を始めた。



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