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ルーム・ノヴァスの伝説 (その 27)

 アラン教授は連邦政府の宇宙開発計画課のメルブ課長に会っていた。
惑星ルーム・ノヴァスに調査団を送る為である。

「メルブ課長、惑星ルーム・ノヴァスのタブレットの解析の結果は先日ご報告した通りです。
ご承知だと思いますが、あの惑星には『火の石』や『火の水』と呼ばれる鉱物資源があります。
 
 それらの利用価値を調べる必要があると思います。地球にとっても有用なのではないかと思うのです。そこで、私は調査団を送りたいと思うのですが、如何でしょうか?」

「アラン教授、あなたのご希望は分かります。それらの資源が使用可能であれば、地球にとっても役に立つでしょう。特に増え続ける人口問題を考えた時には、それを解決する有力な手段の一つになる、と私も思います。

 ですが、直接調査団を送るのはどうなのでしょうか?
その星が全く安全だと言い切れるのでしょうか?」

「タブレットを読み解く限り、あの星には既に誰もいないようです。原因は分かりませんが、ルーム人もジームラ・ウントもいなくなったようです。無人の惑星なのです。

 今必要なのは、人類の冒険心ではないでしょうか?
かつて我々の祖先が、新大陸を発見した時のような。臆病風に吹かれて、手をこまねいていては、それこそ、別の惑星の文明に先を越されるかも知れません。そうなってからでは、手遅れなのです。」

「しかし教授、これは我々だけで判断できることではないのです。
何故なら、そこに他の文明があったということが分かっている以上、今もまた他の文明と遭遇する可能性が否定できないからです。
 
 その場合、問題はERU(ヨーロッパ・ロシア連合)だけではなく、CTU(中国・トルキスタン連合)や他の諸国の同意も必要となるでしょう。」

「そうです、まさにその通りです。ですからメルブ連邦政府宇宙開発計画課課長にお願いしているのですよ。これは、ERUだけでなく連邦政府として決定していただきたいと思っているのです。

 どうか地球全体の未来のためだと考えてご判断いただきたいのです。」

 メルブ課長は迷っていた。連邦政府としての決定は、自らの責任に関わるからだ。失敗したときに備えて、できればERUだけの調査にしたかったのだ。

 それは、アラン教授にとっても自らの責任ではなく、連邦政府の決定にしておきたい、と思うのも同じ責任回避のためであった。

地球にとって重要な問題が、このように個人的な責任問題と絡めて決定されようとしていた。

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