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ロクサーヌ (その14)

 私たちの文明はこの地球から、10億光年の距離にある星が故郷だった。私たちの祖先は宇宙を旅し、接触可能な文明を探していた。しかし幾つか発見された惑星の文明はすべて消滅した後だった。長い時間の後に地球が発見された。そのころ地球の文明も消滅寸前の状態だったが、復元の可能性はあると思われた。そこで、シミュレーションを行うために地球の環境そっくりのイミテーションの惑星を作りだした。船の実験室の中にである。生命体に対する外宇宙の影響は最小限にしてある。それでも地球上にある幾つかの隕石の衝突の痕跡については、その影響の大きさを考慮して再現された。
そして、地球人類の文明を消滅から防ぐ一つのアイデアとして新しい人種を投入してみた。それがアーリアである。ユーラシア大陸の中央ソグディアナに投下されたアーリアは、瞬く間に東西南北に拡散した。コップに落ちた一滴の雫が作り出す波紋のように。インド、ペルシャ、オリエント、ヨーロッパ各地域をアーリアは征服してゆき新しい文明の契機を作っていった。人類の文明は再び活性化されたのだ。一方でアーリアの影響を受けた古代の地球人の文明も復活の兆しを見せ、各地で融合が起きた。チュルク、モンゴル、漢人、セム人などの文明も生まれてきたのだ。8世紀は初期のアーリアがその周辺の古い地球人からの逆襲を受ける時代の転換点となった。ソグディアナはアラブ人に征服された。追い詰められたアーリア人は反撃のため中国を利用しようとしたが安史の乱で失敗し、その後は胡人と呼ばれたソグドやペルシャ人は排斥されその文化も拒絶された。アーリア人は地中海も失いヨーロッパ半島に閉じ込められた。しかし、このようなアーリアと古い地球人の闘いの外にいたのが日本列島の住民だ。そこはユーラシア大陸と海で隔てられていたため、征服されることがなかった。3万年ほど続く古い文明をゆっくりと変化させながら維持している。北はサハリン、千島列島から南は琉球、小笠原までほぼ単一の文明圏だった。ここには大陸から避難してきた漢人やソグド人、ペルシャ人も受け入れて共存させる力があったのだ。
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