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ロクサーヌ (その15)

 敦煌の空はとても高く青い。多くの塔が立ち周囲には古代の遺跡である千仏洞があった。新しい分明の象徴であるタワーは街の中心部に5棟が星形に並んでいた。各タワーで囲まれたエリアの内側をリングと呼ばれるチューブがつなぎその中をコミューターという無人のカプセルが走っていた。リングは地上から恐らく100mほどの高さを結んでいる。そのタワーには数十万の人が居住しているはずなのだが、外部には音が漏れず驚くほどの静けさだった。タワーのエリアから離れて西側に避難民たちの居住区がある。砂漠を越えて到着した人々はグレートウォールと呼ばれる壁の外側で待機させられる。難民管理棟に収容された後に、脳内を調査されて危険がないと確認されてから解放される。しかし、一般の避難民の居住エリアからは出られない。タワーに近づくことができるのは許可されたものだけだった。ロクサーヌは丁仙芝に報告をしていた。しかし、記憶にあるのは今までと同じ繰り返しで、新しい情報はなかった。丁仙芝は、ロクサーヌに娯楽センターでバーチャルヴィジョンというゲームをやってみないか、と提案した。それは、脳内に仮想現実の空間を示し、その中で冒険や旅行などを楽しむことのできるゲームだった。以前には、メガネのようなものを使い、視覚から映像を取り入れていたのだが、今では脳内に直接信号が送られるようになった。そのためメガネもヘッドギアも不要となった。しかし、何もつけずにそのゲームに興じている間は、一人でつぶやいたり、突然大きな声をあげたり、或いは手足を振り回したりするので他人からは精神に異常をきたしたように見えていた。そのため、このゲームは娯楽センター内に限られるようになったのだ。ロクサーヌは地球の歴史というゲームを選んだ。チップでゲームの情報を受け取り、そのチップから体内のカプセルに信号が送られる。カプセルを通して情報が脳内に送られるという。仮想の空間では地球の歴史の映像が流れ、講師の説明があった。講師はウシュパルクと名乗っていた。
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