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NEXT LIFE  麗珠 2

 上野駅の公園口で刑事を待っていると、2人でやって来てその内の一人は、初めて見る顔だった。

「清原さん、挨拶が遅くなって申し訳ありません。私は、池袋署の田口と言います。こちらは、警視庁外事課の石井です。」

初めて、名刺を受け取った。

「公安の方が、どんな用件なのですか。」

「ここでは話せないので。」と、田口に案内されて、カフェの個室に入った。

「実は、防犯カメラから、カード入れを置いた人物が判明したのです。」

「そうですか、分かったんですか。で、どんな人だったんですか?」

「それが、波多野紘一と言いまして、無職の老人でした。何故、カード入れを置いたのか聞いても、『拾ったものだが、お金が入ってなかったので、あそこに捨てた』とそういうのです。」

「波多野と名乗ったのですか?」

「ええ、そう名乗りました。ご存じですか?」

「いえ、知り合いではないのですが、先程伺った山名家で波多野という名前を聞いたものですから。」

「そうなのです、我々も波多野という名前を山名家で聞いたのです。」

「でも、随分早くその老人を特定できたのですね。」

「防犯カメラを追跡したのです。すると、池袋のあのマンションの近くのアパートにいました。」

「そうすると、カード入れも近くで拾ったのですか?」

「本人は、そう主張しています。しかし、こんな事っておかしいですよね。仮に、波多野紘一と名乗る老人が、畦倉香の父親だとしたら、何十年も前に別れた娘のカード入れを拾うなんて事が、偶然とは思えません。」

「そうですね。信じられない話ですね。」

「波多野は、畦倉香のことは知らないと言っているのですか?」

「ええ、全く知らないと言っているのです。まあ、苗字も違いますから、知らなくても、そのこと自体には不思議はないのですが。」

「そうですか。」

「それと、もう一つ、波多野は清原さんを知っているというのです。」

「私を、知っているのですか?何故知っているのですか?」

「波多野は、現在は戸籍もなく、住民票もありません。アパートは知人の名義になっています。失踪宣告が出され死亡扱いになっているからです。しかし、本人が言うには、その失踪するに至った原因は清原さんにあるというのです。」

私には、波多野の主張が理解できなかった。

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