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NEXT LIFE  新しい人生 6

 会社で、山川のデータを確認してみた。

 山川聡 住所は調布市国領。勤務先は安宅商事渋谷支店。免許証と、社会保険証を持参。50万の融資。最新の情報では他社借りれと合わせて10社で400万の借り入れとなっている。支払い履歴は2回、過去の延滞はない。期日通りに約定額を入金している。しかし、今回3回目の期日を3日過ぎている。紹介者欄に友人、波多野と記入されている。

 波多野のデータを確認する。だが、波多野の該当はなかった。白糸台の住所で調べると、1件該当する。金慶国という名で、妻は全春華、子供が一人。外国人登録証を持参している。貴金属、絵画など高級雑貨の輸入販売となっている。
約半年の取引だが、支払い履歴は3回しかない。今月の予定日から10日過ぎている。

 この金慶国が、波多野なのかもしれない。
 会社に電話をかけると、受付の女性が出る。

「金慶国さんは、いらっしゃますか?」

「社長は今、外出中です。本日は1日不在となりますので、ご用件があれば残しておきます。」という。

「それでは、波多野さんをお願いします。」

女性は、暫く無言になる。相談しているのだろう。

「どちら様でしょうか?」

「山川さんの件だと伝えてください。」試しに、山川の名前を出してみた。
すると、何も言わずに、男に代わる。

「山川がどうかしましたか?」

「波多野さんですね。」

「だから、山川がどうしたのか、聞いてるんだよ。」

怒っているようだ。

「あなた、金慶国さんですね。普段は、波多野という名前を使っているんですか?」

「そうだよ。だから、あんた誰なんだ?何の用があって電話しているんだ?」

「渋谷クレジットの清原です。金慶国さんの支払いが遅れているので電話しました。なので、色々調べさせてもらいましたよ。波多野という名前で山川さんを紹介されましたね。」

「それが、何か問題があるのか。」

 そのことに、特に問題はない。だが、これから問題が起きるのだ。

 波多野が、山川を紹介したということは、名義貸しの可能性もある。
つまり、実際には波多野が借り入れを山川に頼んだということだ。その場合、波多野が山川分の支払いを怠れば、当然に山川は波多野に請求するだろう。しかも、山川の借り入れは10社400万にまで膨らんでいる。全部が名義貸しではないにせよ、2人とも行き詰まっているだろう。
2人の間でトラブルが起きても不思議はない。

「いいえ、まずは金慶国さんのお支払いについてです。今日支払っていただけますか。」

「分かったよ、今日入れとくから。もう電話かけてくるな。」
電話はガチャンと切られた。

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