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NEXT LIFE  梢 4

 梢ちゃんが波多野の娘!?
 波多野に妻と子供がいることは分かっていたが、その人と会うことになる、などとは全く考えていなかった。

「ええっ、そうだったんだ。波多野さんの娘さんだったとは、意外でした。でも、それじゃあ、お父さんとは連絡取ってないの?」

「ええ、まあ、ちょっと事情があって、今は連絡は取っていないんです。」

 そう言われると、これ以上は聞き辛い。まして、原因は恐らく借金か、或いは山名響子との浮気なのかも知れない。そうでなかったとしても、私がクレジット会社のものだと知れば、やはりいい気はしないだろう。

「あの、月成さんはご存知ですか?」

「いいえ、どんな方ですか?」

「父の会社で働いていた方です。いつも出張で海外に行くことが多かったみたいですけど。お土産を買ってきてくれたりして優しい方なんです。」

「はあ、その方がどうかしたんですか?」

「その月成さんなら、父のことを知っているんじゃないかな、と思ったんです。」

「その人は、今連絡取れますか?」

「ううん、家で調べれば分かるかも知れません。今はちょっとわからなくて、すみません。kさんが、父のことをご存じだというので、月成さんのことも知っているのかと思いました。」

「ああ、すみません、良く覚えていなくて。」

「父とは、どんなお知り合いだったんですか?」

 しまった、逆に質問されてしまった。クレジット会社のものだとは言えない。

「以前、僕は宝石関係の仕事をしていたことがあったんです。その時に仕事で少しお世話になったんです。」

「そうなんですか、今は宝石のお仕事はされていないんですか。」

まずい、適当に答えたら、余計に深みにはまっていく。

「今は、宝石はあまり扱っていないんですけど、まあ骨董品とかをたまに扱ったりしています。恥ずかしいですけど、あまり大した仕事はしてないんです。」

「骨董品って、美術品とかも扱いますか?」

「ええ、まあ、たまにですけど、ありますね。」


「私も、美術品は好きなんです。特に絵画と、あのガネーシャみたいな石の置物などが好きなんです。」

「そうですか、いいですね、ああいうのを見ていると心が落ち着きますよね。」

「もし良かったら、今度一緒に美術館に付き合ってくれませんか?その時には月成さんの連絡先も分かっているかも知れません。」


「ええ、もちろんいいですよ。」

 適当な嘘をついたのが、かえってまずいことになっているのか?

 このまま嘘をつき続けるのは、苦しい。かといって、クレジット会社のものだと白状するのも辛い。それを言えば、きっと父を追い込んだ人間だと恨まれるだろう。うーん、参った。当面は、噓をつくしかないか。
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