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NEXT LIFE  守るために 6

 山名響子は、短大生の時に、玉響クラブというサークルの勧誘を受けて入会した。入ってみると、そこは神州光輪会の学生組織であり、そこで様々な宗教について学ぶことになった。

 勾玉が人の魂を表す日本古来の形であると教わり、勾玉の触れ合う時の音が玉響の意味であり、クラブでは魂が触れ合う一瞬の出会いを大事にしているといわれた。

 そして、神州光輪会の本部に行き、高場凛という聖名を授かったのだった。聖名を受ける者は限られており、教主である花澤行雄から直接名付けられるのだという。

「貴方の名前はこの後、高場凛となります。あなたの役割は、神の使者である子の母となることです。その為には、どんな苦難にも耐えなければなりません。その苦難は、母としての貴方に与えられた試練なのです。

 しかし、苦難を与えられるということは、神に選ばれた者のみが得られる、特権とも言えます。何故なら、人の精神は苦難を通してのみ鍛えられ、純化され、高みに至ることが可能だからなのです。

 多くの迷える人は、苦難を避けることを目的とします。ですが、それは間違っているのです。真正面から向かってのみ苦難は解消されるのです。野にいる獣たちは、逃げるものを追うようにできています。人は獣より早く逃げることはできません。ですから、逃げることは逆に獣を呼び込むのです。

 苦難も同じです。人は苦難より早く逃げることは出来ません。ですから、あなたはこの先どのような苦難にも逃げずに立ち向かうのです。そうすれば、子供は無事に育ち、あなたも幸せでいられるでしょう。」

 凛はそのように、教主花澤行雄から告げられた。そして、その言葉を素直に信じていた。

 正直、凛にも、子供の父が誰であるのかは、分からなかった。父の名前は教主から告げられていないからだ。しかし、問題は、子供を産み育てることなので、父は究極的には誰でもよかったのである。

 そして今、凛は子供を宿し、その父がkということになった。
後は、産み育てることだけである。

 月成は、教団からは武器の調達と、兵士の育成、将来におけるクーデターの実行が役割りとされていた。

 月成にとって教団は、単に魂の浄化の場ではなく、理念の実現の場であった。その理念とは、西洋文明からの独立であり、その対極としての東亜の団結であり、共生であった。

 その団結の中心が教団であり教主である。その団結の為の、神の使者としての高場凛の子供であり、それは波多野の子供でなければならないと考えていた。

 月成にとっては、kが凛の夫となることは、納得がいかなかった。月成にとって、kは波多野を追い詰め、武器の調達計画を狂わせた相手である。

 初めは、月成の世話になった、凛であるが、kの登場によって少し距離が出てきたのである。

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