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ロクサーヌ (その30)

 私ロクサーヌは、川旅を終えて揚州につくと船を乗り換えた。外洋を旅する大きな船だ。船着き場に一度降りると、そこには乗船の順番を待っている大勢の人々がいた。ペルシャから来た王族の人やその神官と護衛たち。また貧しい身なりの人や、病気の人。そして一見して乱暴そうな一団の人たちなど様々だ。船は上中下の3等に分かれていて、私は中等で良いと思っていたのだが、ご主人様はお坊さんが日本国の政府から派遣されたことを考え上等に乗るという。日本国についた後のことを考えていたのだ。待っている間にさっそく翔が乗客たちから情報を集めていた。乱暴そうな一団は、やはり犯罪人だった。彼らはこの船に乗るために他の人からコインを奪ってきていた。しかし、ここではそれらのことは無視される。コインの価値によって誰でも乗ることができる。病人も、この先の船旅に耐えられるのか、心配なところだがコインさえあれば大丈夫。コインの前ではだれでも平等なのだ。私たちは、王族や神官たちと同じ最上階の部屋に乗ることができた。
 大海原を渡るというのは、天気さえよければとても気分の良いものだ。見たことのない魚たちが飛び跳ねていき、鳥がその上を旋回している、時々大きな白い水煙が上がり巨大な生き物が宙を舞う。私には、新しい世界だった。
 数日のうちにレキオという島に着いた。ここで唐から来た船長と船員たちは、船を降り、日本から来た船長たちと交代する。ここからが日本になるのだ。しかし、お坊さんの話では、この先にあるアマミという島からが日本でレキオは日本ではないという。日本が国名を改めたときにアマミの人はお祝いに来たのだが、レキオの人は来なかったのだという。レキオとアマミは隣同士で風習も言葉も同じなのだが、何やら違いがあるらしい。
 日本人の船長の命令で、私たちはどこから来たのか、どんなことをしていたのかを申告することになった。これは、そのことによって分けられるということではなく、それを調べることで万一嵐にあった場合にこの船の安全を守る為、誰がどんなことができるのかそれを調べるためだった。いざという時に私たち乗客も協力して、自分のできることをしなければならない。ここでは、安全を守ることが優先された。そのためには、身分の差も、男女の差もなく皆その出来ることをすることが必要とされていた。海の上では、だれもが協力し、船長の命令に従わなければ命の危険にさらされるということだ。
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