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NEXT LIFE  変革の時 6

 神州光輪会の本部では、月成と宗務長の田倉との間で、議論が交わされていた。

「田倉さん、ソ連とヨーロッパの状況を見れば、今こそ北方領土を解決する時です。あの、ソ連抜きでの講和条約とその後の安保条約によって、北方領土は解決不能になりました。しかし、今ソ連は経済的危機を迎えています。一歩間違えれば革命が起きかねません。この機会を生かすべきです。」

「しかし、それには政府を動かさなければなりません。政府には、そんな人物はいませんよ。みな、アメリカの顔色を伺うばかりですから。」

「政府が動かなければならない状況を作ったらどうですか?
人物というものは、危機に会って初めて出てくるものです。日本も、バブルが崩壊して、ある意味では危機です。人物が出てくる機会ですよ。」

「具体的に何か策でもあるのですか?」

「今の日本が軍事的にどの様な危険にあるのかを、示したらどうです?
例えば、スパイが軍事機密を盗もうとしても、それを防止する、法律も、機関もないのだと、知らしめたらどうです?」

「それで、自主国防の動きにつながりますか?私にはそうは思えませんよ。むしろ、ますますアメリカ頼みになるのじゃないでしょうか?」

「やってみる価値はありますよ。例えば、原子爆弾を作るために必要なプルトニウムが、第三国に持ち出されたら、どうですか。もし、それでも、何も政府に変化がなければ、見切りをつけるべきかもしれませんが。」

「見切りをつけるとは、どういう意味ですか?」

「その時には、我々が、政界に進出する、或いは、政府を作るということです。」

「クーデターでも考えているのですか?」

「最悪はそれもあるでしょう。兎に角、1-2年の内に行わなければ、ソ連は崩壊してしまう可能性もあります。そうなると、交渉すら不可能です。」

「私は、反対です。万一、そのような企てが警察に知られることとなれば、それこそ、教団の危機になりますよ。」

―――――― 田倉は、やはり反対するのだな。であれば、俺一人でもやるしかない。アメリカやソ連と戦争をせずに、領土問題を解決するには、こんな機会は2度とないだろう。やったところで、失うものなどないのだから。

 敦賀には、「ふげん」がある。他の原発で出来たプルトニウムを原料とする発電所だ。そのプルトニウムが持ち出されれば、核爆弾の拡散につながる。日本で考えられる、最も危険な軍事技術の流出事件になるだろう。
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