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月の光 8

 翌日の午後になって、警察が来た。

 「城外開拓区入植地東13-8 入植者番号丁4624号 吾妻春清さん。こちらは城外開拓区警察です。捜査協力をお願いします。」

 「警告、ここでの応答のすべては画像および音声データに記録されます。城外開拓区警察の身分証の提示をお願いします。」

 警察官が身分証を提示すると、機械がそれを確認した。「人民警察城外開拓区所属、中西二郎さんですね。」

 「所有者は不在です。おかえりください。」機械が答えた。

 「ご家族の方はいませんか。奥さんか、息子さんがいませんか。」中西という、30代くらいの若い警官が苛立ちながら、声を荒げる。

 「所有者は不在です。おかえりください。」

 「中を拝見したいので、ドアを開けてください。」中西警察官は怒っているようだ。

 「所有者不在のため、許可されません。おかえりください。」機械が同じ答えを繰り返す。

 「協力できないというのならば、強制的にドアを開けますよ。」中西は、強引にドアに手をかけようとする。

 「裁判所の強制捜査許可証を提示してください。ない場合は許可されません。」

 「どうしますか?斎藤さん」中西が、もう一人の警察官に尋ねた。

 「面倒だ、一旦引き上げよう。」斎藤と呼ばれた、もう一人の警察官がそう言って帰ろうとした。

 「では、外部の写真だけ取っておきますか。」中西がそう言うと、機械が即座に応答した。

 「警告、ここでの許可されていない撮影データは抹消されます。」

 中西は、もう撮っちゃいましたよ、と言いながら、斎藤に写真を見せようとするが、データは既に抹消されていた。

 「なんだこれは、どうなっているんだ?」2人の警察官は、この列車ハウスに何か通常とは違う不信感を抱いた。

 「ここは、おかしいな。何かあるに決まっている。本部に上げて、しっかり捜査すべきだな。」斎藤はそう言いながら、いまいましそうに列車ハウスを睨んだ。
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