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月の光 21

 『だが、あの列車ハウスの機械的な対応からすると、簡単に撤去に応じるとはとても思えない。内部に入るのさえ、裁判所の許可証を要求するくらいだ。あれが、ケアロボットなのか、普通の人間よりややこしいのは確かだ。

 大体、何故機械や、宇宙人の相手をしなければならないのだ?人間相手だからこそ、警察官という職業を選んだのだ。人間以外の相手をすると、わかっていれば、選ばなかった。

 選りにも選って、機械と、宇宙人とは。まともな相手がいないじゃないか。もうすぐ定年だというのに、なんでこんな目にあうのだ。』と、終いには恨み言すら口にするようになってしまった。 

 時代遅れの電気自動車で、機動隊の検問の脇を通過し、あとは舗装の無い入植者用の農道を進み列車ハウスの柵の前に止める。

 「これが、危険だという電柵ですか?ただの動物除けの柵にしか見えませんよね。」中西がそう言いながら、列車ハウスの門の前でインターフォンを鳴らし、身分証と裁判所の許可証を提示する。

 暫くすると、門が開き、列車ハウスの入口の前まで徒歩で進んだ。「いよいよですね。」と中西が緊張した面持ちで言う。

 ドアが開き、中へ一歩踏み込むと、そこには緑色の山の模様と、下は白い波の模様の描かれた暖簾がありレストハウスと書かれていた。

 「いらっしゃいませ、レストハウスへようこそ。」と、若い女性の声がする。暖簾をくぐって車内へ入ると、メイド姿の女性がいて、胸に名札を下げている。『ケアワーカー、モナ』と読める。

 『なんだこれは』と内心の動揺を隠して、斎藤が口を開く。「ええっと、こちらに吾妻清人さんはいますか?」

 「はい、ただいま清人お坊ちゃまは、具合が悪くお休みになっていますので、私モナが承ります。どうぞ中へお進みください。」

 モナと名乗る、メイドに案内されて、列車の座席に腰を掛けると、中西も怪訝な顔をする。「どうなってますか、これは?」「分からん。」斎藤は、そっけなく答えた。

 「お飲み物をご用意いたします、こちらがメニューでございます。」とメイドが飲み物を勧めるのだが、それは断った。すると、「かしこまりました。ではこちらをどうぞ。」と麦茶が出された。

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こんばんは。

gassetさん、いつもブログご訪問ありがとうございます。

いやぁ、面白いですねぇ。
やっぱり物語の中に引き込まれます。
どうやってこうもスラスラと書けるのか
やっぱり才能ですかねぇ。
私もgassetさんの作品の面白さに触発されて
創作を書き始めましたが
やっぱり途中で先が分からなくなっちゃって
もうどうしていいかどん詰まり状態ですよ(笑)
gassetさんのように的確に描写が出来たら良いのですが。

今更ながらですけど。
gassetさんのブログとリンクさせて頂いても
構いませんか?

Re: こんばんは。

いつもお読み頂きありがとうございます。

リンクは大歓迎です。有難うございます。

minaさんの小説拝見しました。描写がしっかりされて、やはり私などよりは余程文学的だと思います。

私の場合は、夢の中の話を基本として書いていますので、ちょっと展開が荒唐無稽になりやすく、文学的な話には出来にくいと思っています。でも、それぞれでよいのではと思っていますので、好きなように書けたらと良いと開き直っています。

これからも宜しくお願いします。
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歴史的事実に改編を加えた妄想小説です。

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