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月の光 24

 警察官2人が帰るのをベッドのモニターで見届けて、僕はようやくカプセルベッドから恐る恐る顔を出した。やはりまだ、人間と顔を合わせるのは怖いのだ。

 「モナ、一体これはどうしたの。何だか、喫茶店みたいになっていた様だけど。」

 「ええ、突然裁判所の許可証を提示されたので、大急ぎで対策を立てたのです。ちょっと清人さんには相談する暇がなくて、マザーと相談して決めたのです。」

 「それにしても、何だか、過激な衣装に見えるけど。」

 「5万年前の私の経験からですけど、人類のオスは大体攻撃的なのですが、メスに対しては急に優しくなる傾向があるんです。ですので、マザーと一緒に急遽このような衣装と内装を用意したんです。駄目ですか?」

 「いやあ、そんなことはないけど。ちょっと驚いただけだよ。それにしても、マザーがそのアイデアを許すとは意外だったけどね。」

 あの警察官2人が、あんな風に和やかに帰っていったのは、やはりモナの言う通り、人類のオスの特性なのだろうか。だが、いつもこの作戦が通用するとは思えないが。


 列車ハウスでこんな風に異変が起き、ホタルやマスコミ、警察などを相手に悪戦苦闘している頃、メソポタミアにいる吾妻春清の所にも事態の変化を告げる連絡が届いた。

 「春清さん、飛鳥研究所からメッセージが届いていますよ。ホタルのような発光体が列車ハウスの周辺に出たそうです。警察やマスコミが列車ハウスを調べていると言ってますけど、清人は大丈夫なのかしら。」

 千春が不安そうに、夫の吾妻春清に伝えた。

 「それは、変だ。もし、そんなことが起きているのなら、マザーから何も連絡がないのはおかしい。」

 極めて優秀な知能を持っているマザーは、列車ハウスに起きた異変については、必ず連絡してきていた。それは、一人残した清人の安全確認の為でもあった。だから、今回のような事態を報告しないの今までは考えられないことだったのだ。

 「もしかすると、マザーにも異変が起きているのか?」春清は、困惑気味に顔をしかめた。

 「ねえ、ひょっとすると今解読途中のタブレットに書かれていることが起きているのかしら。」

 千春の言葉に、春清もうなづいた。確かに思い当たることがある。

 タブレットには、この列車ハウスが、神々の争いから逃れるためのシェルターとして作られた、と書かれているように読めた。だが、その争いがどのようなものなのか、具体的には分かっていない。

 「そうか、だが、まだタブレットの解読は完全ではないのだ。今は、まだ何も答えることができない。先ずは、飛鳥研究所と連絡を取ってみるよ。」と、春清はそれだけしか言えなかった。

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