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月の光 39

 バビロンから戻った吾妻春清は、飛鳥研究所の所長高岳にバビロンでの研究の現状報告と、日本で現在起きていることについての彼なりの所見を述べていた。

 「5万年前の楔形文字のタブレットの解読を総合し現時点で私なりに理解したストーリーを申し上げます。

 タブレットに記されたメソポタミアの超古代文明人は、その故郷の惑星が破壊され、新天地を求めて宇宙空間を旅し、未知の惑星に辿り着きました。その惑星の気候及び表層環境、特に清浄な水の豊富であることが、彼らの生存には最適でした。

 しかし、その惑星は巨大生物の住む惑星でした。古代文明人はその惑星の水を必要としており、その植物も利用可能でしたが、巨大生物に襲撃されるため、それへの対処に悩んでいました。彼らはその対策として、巨大な人工生命体を作り出しました。

 その人工生命体は、彼らの血と大地から創ったとされています。その人工生命体を彼らは『エ・モナ』と呼びました。エ・モナは彼らの為に、農地を切り開き、灌漑し、水路を作り食料となる植物を栽培しました。

 しかし、現地の巨大生物のうち、巨人族が農地の周囲に出没し、食料を奪い始めました。エ・モナは防御の為に、城壁を作り、都市に集住しました。

 こうして、エ・モナは都市の中に神殿を作り、彼らを創った古代文明人を神と呼び、古代文明人の為に都市と農村を作ったのです。古代文明人は、エ・モナの作った植物を食料として、空から収穫を受け取る為にやってきたそうです。ここまでが、以前に報告した内容でした。」

 飛鳥研究所の高岳所長が尋ねた。「そうだったね、確か君は楔形文字のタブレットはその古代文明人が残したものだと報告していた。その古代文明人の正体は分かったのか?」

 「いえ、それが違っていたのです。このタブレットは、古代文明人ではなく、エ・モナの残したものだと思われます。」

 「それは、どういうことなのだ?」

 「古代文明人は、食料の生産をエ・モナに任せ、自らは空の上から、定期的に回収しに来ていたのです。ですから、バビロンの都市には、エ・モナだけがいて、古代文明人は神殿に祀られる神として存在していただけなのです。」

 吾妻の新しい報告は、超古代バビロンの都市を作った文明人以外に、さらに別の古代文明人がいて、しかもそれは空の上にいた、と言うものだった。

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