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月の光 47

 清人から言われて、モナが門を開けると、春清は諦めて食堂車に退いた。

 『まだ自分が、姿を見せるわけにはいかない。彼らは、どこまで知っているのか、それを探る必要がある。』春清は、まだここの全てを、彼らが知っている分けではないだろうと予想した。

 暖簾をくぐって、里美が挨拶をし、「清人さんに相談があるのです。」と言った。

 「実は、あの雲から出てきた、蜂の事なんですけど。あれを捕獲する事は出来ないでしょうか。」
 
 里美は、大和署長がそれを希望していることを説明した。そうすれば、この事件の解決が見えてくる、とも言った。だが、それはモナやマザーにとっては事態を大きくする可能性があることに思えた。

 食堂車で様子をうかがっている春清は、『何を、馬鹿なことを言っているのだ。あれが、何者か、こいつらは知らないのか。まさか、ただの蜂だと思っているのか。」と、憤慨し、あきれていた。

 「それは、僕にはよくわからないけど、モナ、どうなの。」清人はモナに尋ねた。実際清人には、全くどうしようもないことだった。

 「蜂がいつ出てくるのか、良くわかりませんし、それに捕獲できるかどうかも私には、よくわからないのです。ごめんなさい。」モナも、ちょっと困った様子で断った。

 すると、斎藤が「それが、もし捕獲できなければ、この列車ハウスをどこか別の場所に移動するように、と言うのが、署長の意向なのですが。大変申し訳ないのだけど、それは、可能ですか?」と、心底申し訳ないと言う風に、顔をしかめて申し出た。

 『この列車ハウスを移動する?何の権限があって、そんなことを言っているのだ。ここは、私の城なのだ。』

 春清は、今にも、飛び出していって怒鳴りつけたい衝動に駆られるのを必死で抑えていた。

 「移動って、どこに移動するのですか?」清人が、深く考えもせずに尋ねた。

 『清人まで、何を言い出すのか。』春清は、清人の対応が信じられないほど愚かに思えた。

 「駄目だ、清人、勝手なことを言うな。この列車ハウスを移動するなど、とんでもないことだ。そんな事は、この私が絶対に許さない。」

 ついに我慢ができなくなった、春清は、大声で怒鳴ってしまった。
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