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月の光 49

 斎藤は、城外開拓区警察署及び科学捜査班がこの雲と、蜂やホタルがに関して、地球外生命の侵入を疑っていることを説明した。そして自分たちは、できれば騒ぎを穏便に終わらせたいと思っていることを話した。

 「では、君たちは、清人の為を思って、そう考えたというのだね。そして、植物については報告していないのだね。」春清は、少し冷静さを取り戻した。

 「はい、そうなのです。このままでは、事が大きくなるので、それを防ぐためにも、蜂が危険ではないことを証明したいのです。」斎藤は、春清の様子を見て、穏やかに話せそうだと思い、少し安心した。

 「マザー、私は、この事態をまだよく知らない。君の考えはどうなのだ。」春清は、全てを一番よく知っているはずのマザーに問いかけた。

 「ご説明する前に、お伺いしますが、春清さんは、この刑事さんたちについてどうお考えですか。私が、この場で全てを話しても宜しいと、つまり信頼できる相手だとお考えですか。」

 マザーは、逆に春清に尋ねた。これから話すことが、彼らの理解を超えることだと予想したのだ。

 「それは、まだだ、これから判断する。しかし、既に、彼らが植物の事も知っている以上、むしろ問題は、彼らが私を信頼するかどうかだ。

 もし、マザーの話を聞いて、彼らがそれを私ではなく、警察と相談するというのなら、それは彼らが私を信頼していない証になる。その場合には、当然私も彼らを信頼できないだろう。

 彼らが、清人のためを思って、植物の事も秘密にしているのが真実であれば、これからマザーの話を聞いても、それを秘密にするはずだ。それで初めて私も彼らを信頼することができるだろう。」

 春清の言葉は、斎藤たちにとっては、ぎりぎりの決断を迫るものだった。内容によっては、これから警察には秘密にしなければならない、と言うことだ。それは、警察と言う自らが所属する組織を裏切る事を要請されているのだ。

 かと言って、話を聞くのを断れば、それで春清の信頼は失われる。自分たちの任務は失敗に終わると言うことだ。

 「どうするのかね、斉藤刑事、それでもマザーの話を聞く覚悟はあるのかね。」

 春清は、斎藤に決断を迫った。
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