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月の光 78

 高速道路を走っている途中、またホタルの大群が見えた。それは、低く垂れこめた雲の中を出入りしながら、下総香取の方へ、丁度斎藤たちの車とすれ違うように飛んでいた。

 「またホタルの群れですよ。さっきも見たんですよね。」中西が、腑に落ちないという風に呟いた。

 「さっきって、いつ見たんだ?」斎藤は、ホタルを見た記憶は全くなかった。

 「来る途中、誉田のあたりですよ。道路の上をいっぱい飛んでたんですけどね。斎藤さんは、起こしても寝てて起きないから、見てないんですよ。」中西は、斎藤が寝ていたことに少し文句を言いたかった。

 「そうか、悪かったな。しかし、あんな風にホタルがたくさん飛ぶのは初めて見るな。ホタルって、アンナに飛ぶのか?」

 「いやあ、自分も知りませんでしたよ。ホタルは、水辺でチョロチョロしてるもんだと思ってましたから。」

 「方向的には、まるで航空宇宙センターに向かっているようにも見えるな。不思議なこともあるもんだ。」



 航空宇宙センターでは、乾が斎藤と中西の頭皮の細胞をシャーレに入れて保管していた。

 「暫く、此方に保管して観察しますので、橋本さんは1週間後にまた来てください。」

 「分かりました。1週間後にまた伺います。」橋本も、航空宇宙センターを後にして、科学捜査班へと戻った。


 照明を落として、乾も帰った後、警備のロボットを除いて、誰もいなくなった航空宇宙センターの上空をホタルたちが飛び交っていた。


 城外開拓区警察署に着いた斎藤と中西は、大和署長に一言挨拶しようとしたが、既に署長は帰宅した後だった。

 「全く、これですよ。こんな残業を命令しておいて、自分はさっさと帰宅してしまう。」中西は、憤慨していた。

 「でも、まあ。予想通りだけどな。しょうがない、こんな時間だ。俺達も帰るとするか。それよりも、さっきから頭が妙に冴えているんだ。どうしたのかな。こりゃ、風邪でも引くのかな。」

 「斎藤さん、それって変ですよ。頭が冴えてるのに風邪ひくって。」

 「今日はちょっと、頭を使いすぎたからな。興奮しているのかも。こういうときこそ、その後、一気に来るんだよ。お前も年を取ればわかるさ。」

 夜の1時を過ぎて、やっと2人はそれぞれの自宅へ帰った。

 斎藤は家に着くと、さっきまでの興奮の反動か、どっと疲れが出た。日本酒を1杯寝酒に飲むと、あっとゆう間に寝てしまった。

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