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月の光 88

 列車ハウスで、里美が大沢美穂と1週間前のホタルについて話をしていたところへ、モナが斎藤、中西と共に帰ってきた。

 「あ、モナさんお帰りなさい。斎藤さんも、大丈夫でしたか?」里美が、モナ達を迎えにでると、後ろから大沢美穂も続いた。

 「モナさん、今日は、お邪魔してます。」

 「どうしたのですか、美穂さん、今日来ると連絡頂いてましたか?」突然の来訪にモナも少し驚いた様子だった。

 「実は、中西さんが見たという、誉田のホタルの事で来られたんです。斎藤さんと中西さんが航空宇宙センターを訪ねた、という話をしていたところだったのです。」

 里美が、経緯を説明すると、大沢美穂が後を引き継いだ。

 「あの夜のホタルの光は、強いエネルギ-を持っていました。今までの話を総合して考えると、航空宇宙センターにホタルの光を受信する受信器のようなものがあると思います。

 その受信器の事で、お2人は航空宇宙センターに行かれたのではありませんか?」

 受信器と言われて、斉藤も中西も思わず顔を見合わせた。そのようなものは思い浮かばなかったが、2人に現れた変化がある。

 「実は、あの日は、俺達が蜂に刺された部分に何か異常が無いか、その検査に行ったんだ。でも、検査結果は何も聞いていないので、どうだったかは知らない。しかし・・・」

 斎藤と中西は、2人が翌日から記憶の中に閉じ込められ、モナに助けてもらうまで、抜け出せなかったことを話した。

 「そうですか、記憶の中ですか。それは興味深い話ですね。見方によれば、認知症にも似ているのかも知れませんね。」

 大沢美穂は、2人の症状が、脳の認知能力を失わせるものかも知れないと考えた。

 「でもお2人が帰った後に、ホタルが現れたと言うことは、何かが航空宇宙センターにあると言うことですよね。そして、検査結果も知らせない、ということは航空宇宙センターは何かを隠しているのでしょうね。」

 大沢美穂は、航空宇宙センターが、斎藤たちに隠している事があるのだという。

 「しかし、俺達は同じ国家公務員だ。それなのに、情報を隠すというのはどうしてなのだ?」斎藤が素朴な疑問を持った。

 「同じ政府の機関だとしても、所属が違えば、その目的も違うので、きっとあなた達の検査結果が知られたくない情報、公表できない情報となったのでしょう。もし、何の問題も無ければすぐに知らせてくれたのでしょうけど。」

 「と言うことは、問題があった、というのだな。」斎藤も、その推理に同意した。

 確かに翌日から、異常なことが起きたのだから。検査結果に問題があっても不思議はない。

 しかし、それでも秘密にされるのは納得できるものではない。何しろ自分の身体の事なのだから。

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