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月の光 102

 清人が、斎藤の手伝いをしたいと言い出したが、斎藤は、まず何をさせてよいか分からなかった。そこで、手始めに体力測定から始めてみた。

 長年、列車ハウスの中でしか生活したことのない清人なので、体力がどのくらいあるのか、それを確認しようとしたのである。

 その結果、身体能力が非常に劣っていることが判明した。5段階評価で最低のEランクである。コミュニケーション能力は勿論ないのだが、それ以前に体力がない。

 「清人君、今まで何か運動はしてこなかったのか?」斎藤は呆れてしまった。

 「はい、スポーツの映像は見ましたが、自分でやったことはありません。」

 「仕方ないな、身体は最低限の資本だからな。何かいい運動はないか?」思案する斎藤に、モナが答えた。

 「あの、私が清人君を鍛えてみます。」

 「どんな方法で?何か得意なスポーツでもあるのか?」

 「いえ、スポーツは全くできません。でも、ずっと農作業をやってましたので。身体を使うことは得意なんです。」モナは、自慢気に答えた。

 「で、具体的にどうするんだ?」モナが自信ありげに答えるので、斎藤も何かいい方法でもあるのかと、尋ねてみた。

 「はい、それはこの湿地の一部を開墾して、畑にするんです。農作業をやれば、自然と体を動かすので、全身が鍛えられると思います。」

 『結局、自分の得意な農業か。でも、まあ確かに農作業なら身体を使うのは間違いないからな。』斎藤は、そう思って、モナの提案を受け入れた。

 「じゃあ、モナちゃん頼むよ。清人君を鍛えてやってくれ。清人君も、俺の仕事を手伝うというのなら、まずは体力が一番肝心だからな。頑張ってくれよ。」

 「はい、分かりました。やってみます。」と、清人も元気よく答えたが、実際にどんなことをするのかは全く想像していなかった。

 翌日から、早速、湿原の葦を刈り取る作業が始まった。

 「モナ、もう駄目だ、手も足も痛い。息も苦しくなってきた。ちょっと休もうよ。」清人は、10分程で音を上げた。

 「清人さん、休むのが早すぎますよ。30分経ったら、休憩しましょう。」モナは、直ぐには休ませなかったが、清人はその場にひっくり返ってしまった。

 「いやあ、こうやって空を見上げると、気持ちがいいねえ。やっぱり体を、動かすと気持ちがいいね。」などと、吞気なことを言って言いる。
  
 清人もやる気はあるのだが、なかなか思うようには動けないようだった。
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