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月の光 108

 大沢美穂が列車ハウスを訪れた。

 「西日本の昆虫駆除の為に、坂東地方管区警察が職員を派遣すると聞きました。その事で、斎藤さんに情報収集をお願いしたいのです。」

 「中西の話では、橋本が部隊を率いるそうなんだ。美穂さんの頼みなら、俺の方で橋本と連絡取ってみるよ。」

 「それ、僕にも手伝わせてください。一緒に行っても良いですか?」清人が、斎藤に頼んだ。

 「一緒に行くのは構わんが、遊びじゃないからな。どう紹介したら良いのか、考えものだな。」

 清人のことは、橋本も乾も知っている。しかし、それは列車ハウスの住人としてである。あの吾妻教授の息子であり、しかも精神的な理由から社会生活不適応とされている。

 そもそも、橋本にとっては、ホタルや蜂が最初に出現した際に、捜査が難航したのは、この清人の所為だという認識がある。

 その清人を、連れて行っても、橋本が快く受け入れるだろうか、斎藤には悩むところであった。

 大沢美穂が一つの提案をした。

 「清人さんは、吾妻教授の息子さんです。そして、吾妻教授はメソポタミアの超古代文明の研究者でしたが、現在は飛鳥研究所との関係から研究がストップした状態になっています。

 このことを逆に利用しましょう。清人さんが、吾妻教授の研究を引き継ぐのです。吾妻研究所を設立して、その所長という肩書はどうでしょうか。」

 「そうか、それであれば、俺もそこの研究員という肩書ができるわけだな。それであれば、今回の昆虫の侵入を調査する名分も立つわけだ。」

 斎藤は、その提案に飛び付いた。

 「凄いアイデアですね、美穂さん。それじゃあ、僕は研究所の所長で、斎藤さんの上司になるわけですね。」清人も大喜びだが、斎藤にはそれが不安でもあった。

 「清人君、繰り返すけど、遊びじゃないからな。慎重に頼むよ。」
 
 斎藤の不安をよそに、清人は早速、研究所の設立の手続きを、マザーに依頼した。

 「後は、実際に橋本さんに会えるかどうかですね。」清人は、初めての役割に興奮して目を輝かせていた。

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