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ロクサーヌ (その47)

  翌日、私はラムと次郎を連れて研究所に行くことにした。どうしても、ご主人様たちを助けなければと思ったからだ。2匹の犬は私を乗せて、また飛ぶような勢いで走り、タワーの下に着いた。正面玄関を通り、エントランスを抜け、エレベーターに乗り36階で降りた。研究室のドアを開けると、ウシュパルクと丁仙芝がいた。2人は私が戻ってきたことが分かっていたようだ。
「ロクサーヌ君は、何故ここへ戻って来たのだ?ここへ来ればまた拘束されるとわかっているだろうに。」ウシュパルクがそう尋ねた。
「ご主人様と、友人たちを返してください。」と私は頼んだ。
「それはできない。君には、私たちの命令に従ってもらう。」丁仙芝がそう言い終わらぬうちに、
隣にいたラムの様子が変わっていた。髪の毛が逆立ち、牙をむきだして今にもとびかかる勢いだ。
私は「ラム、待ちなさい!」と言って、ラムを抑えた。
 ウシュパルクが言った。「私たちは、文明の衰退の原因を調べていた。文明はほとんど頂点に達し、各個人が完全な自由を手にしその能力を解放するはずだった。
ところが、そこから衰退が再び始まった。そして、時空間の乱れが起き歴史の退行が始まった。歴史の現場でより詳しく調査するために君を作った。
しかし、時空間の乱れと思える現象はより多くなり、その発生場所には君がいた。つまり、君が時空間の乱れを誘発していると思えるのだ。
君は私たちの知らない『精神』を持っているのではないかと私は思っている。
君にやってもらいたいことは、その『精神』とは何かを調べること。つまり、君自身を調べること。そして、衰退してゆく他の自動人形と君の精神の何が異なるのかを調べること。それによって、衰退を防ぐことが可能かを調べること。それに成功した時には君の友人たちも君自身も解放される。
しかし、最終的に衰退を防ぐことができなければ、私たちはこの世界とともに消去される。これを、君に行ってほしいのだが、期限が切られている。3か月だ。今日が7月10日だ、3か月後の10月9日が最終期限だ。」
 私は、その要求を受けることにした。何故なら、どのみち3か月後には消去されご主人様とともに私たちは消えてゆくと思ったからだ。私にしか出来ないのであれば、何としてでもやってみようと思った。

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